世界でただ1頭、飼育されている茶色いパンダ・チーザイの性格と歩み
中国・陝西省西安市の郊外に、七仔(チーザイ)というオスのパンダがいます。ほかのパンダなら黒い所が、チーザイは茶色です。いま飼育されている茶色いパンダは、世界でチーザイだけです。
2009年に秦嶺(しんれい)の山で保護され、2026年10月の時点で17歳ごろです。
この記事では、チーザイのいまの暮らしと、毛が茶色い理由、性格と好きなもの、保護されてからの歩み、家族を、飼育員の言葉を交えて紹介します。
チーザイはいま、どう過ごしている?
2026年10月、中国の国慶節の休みにも、チーザイは姿を見せていました。午前10時すぎには、外の運動場を気ままに散歩していたと伝えられています。
職員が記者に話したところでは、秋は昼と夜の気温の差が大きくなり、パンダの動きが活発になります。昼に動く時間もはっきり増え、動くのは朝と夕方に限らなくなったといいます(2026年10月3日 新浪陝西〔央視網の報道の紹介〕より)。
ふだんの1日は、西安の地元紙・西安日報が紹介しています。朝は竹林で目を覚まし、午後は木の上で寝そべって過ごします。その姿に、来園者は思わず歩みをゆるめるそうです。記事はチーザイを、公園の明星(スター)と呼びました(2026年5月26日 西安日報より)。
2026年の元日には、雪あそびの様子も伝えられました。雪の上を転がり、頭や体に雪をこすりつけます。登り棒に積もった雪まで体につけ、雪まみれのまま運動場をゆったり見回っていました(2026年1月5日 CGTN Japanese/AFPBB Newsより)。
チーザイのプロフィール
チーザイ
日本での呼び名:チーザイ
中国での名前:七仔(チーザイ)
愛称:巧克力熊(チョコレートパンダ)
性別:雄
生まれた年:2009年(野生で生まれたため、月日は分かっていません)
生まれた所:中国・陝西省の秦嶺山脈(佛坪国家級自然保護区)の野生
保護された日:2009年11月1日(生後1か月半〜2か月ごろ)
両親:父 喜悦(シーユエ)、母 妞妞(ニウニウ)。どちらも野生の白黒のパンダ
血統登録番号:802(世界の飼育パンダを登録する名簿の番号)
名前の由来は、2つ伝えられています。ひとつは、ほかの赤ちゃんとあまりに違い、宇宙から来たような感じがしたから、という話です。映画の長江7号に出てくる宇宙の小さな生き物から名前をとって、七仔と名づけられました。もうひとつは、秦嶺で見つかった7頭目の茶色いパンダだから、という話です。
茶色いパンダは、チーザイが初めてではありません。丹丹(ダンダン)という茶色いパンダも飼育されていました。1985年に保護され、2000年に亡くなっています。
本物のチーザイの見分け方
2025年12月、耳をぱたぱた、目をくるくる動かすチーザイの動画が、ネットで広まりました。じつは、AIで手を加えた動画です。最初の投稿にはAIで作ったと書かれていましたが、転載されるうちにその説明が抜け、本物だと思った人が多かったといいます。
見分けるカギは、目のまわりの色です。担当の飼育員は「チーザイは目のまわりが茶色で、目との色の違いがはっきりしているので、ふだん少し目を動かしただけでも、人の目にとまりやすいのです。白黒のパンダも目は動かしますが、ネットの動画ほど大げさではありません」と話しています。
この飼育員によると、チーザイの毛は、光によって金色にも濃い茶色にも見えます。丸い顔と短い口は、秦嶺のパンダに多い特徴です。
チーザイの毛はなぜ茶色い?
茶色いパンダが生まれる理由は、長いあいだはっきりしませんでした。答えを出したのは、2024年3月に科学誌PNAS(米国科学アカデミー紀要)に載った論文です。中国科学院動物研究所の研究チームが調べました。
カギは、Bace2という遺伝子でした。チーザイは、この遺伝子のごく一部が欠けています。それも、父からもらった分と母からもらった分の両方です。
欠けているのが片方だけなら、毛はふつうの白黒です。父の喜悦(シーユエ)と母の妞妞(ニウニウ)は、どちらも片方だけが欠けていました。チーザイの茶色い毛は、この欠けを両親から1つずつ受け継いだためでした。
チーザイの3頭の子どもは、どれも白黒です。それでも、陝西では茶色いパンダを殖やす研究が始まっています。西安市の秦嶺の保護を受け持つ役所が、2026年2月に出した記事で伝えました。飼育しているメスの遺伝子を調べ、チーザイと同じ茶色の遺伝子を持つメスを選んで、組み合わせを考えて殖やすというものです。
チーザイはどんな性格?
担当の飼育員は、チーザイをのんびりしていて気がやさしいパンダだと話しています。ほかのパンダにたたかれても、やり返しません。2019年の報道でも、温厚で周りと争わない性格と紹介されました。
温厚なチーザイにも、意外な一面があります。運動場の太くて長い丸太を抱えて、相撲の練習をすることがありました。うっかり丸太の下敷きになって起き上がれずにいると、とたんに怒り出したといいます。丸太をひっかいたりかんだりして、木くずを飛び散らせていました。
寝そべって食べるのが好きなチーザイ
チーザイは、運動があまり好きではありません。それでも、遊ぶのは好きです。ボール遊びや、ごろごろ転がること、木登りも楽しみます。
食べる時の姿について、飼育員は「タケノコは寝そべって食べるのが好きで、とても楽しそうです。性格ものんびりしています」と話しています。
同じ飼育員の見立てでは、チーザイは賢くて、少しものぐさな性格です。食べ物の好みには、うるさいところもあります。2024年1月の報道によると、冬は毎日50kg以上の笹の葉を食べますが、半分を食べずに残すこともあります。
2025年の夏に公園を訪れた人は、こんな姿を書き残しています。チーザイは竹をゆっくり味わいながら、ときどき後ろ足で毛をかいていました。竹がなくなりかけると、2枚の鉄の扉の間を行ったり来たり。立ち上がって、小窓から外をのぞくこともありました。そばの職員は、食べ足りなくて、飼育員におかわりを催促しているのだと教えてくれたそうです。
チーザイの好物のニンジンと、春のタケノコ
パンダの多くは、粉ミルクやリンゴのような甘いものを好みます。チーザイは小さいころから、味の薄いニンジンが大好きでした。ニンジンをもらうと、いつもうっとりした顔で残さず食べます。食べ終わると、ニンジンを持っていた手まで、名残惜しそうに何度もなめていました。2024年11月には、ニンジンやリンゴを竹にくし刺しにした朝ごはんも紹介されました。
反対に、いちばん嫌いなのはカボチャだと、飼育員は話しています。
春はタケノコの季節です。チーザイは1日に約50kgのタケノコを食べます。飼育員によると、両手に1本ずつ持ち、座っていても寝そべっていても、そうやって食べます。
この飼育員は「仕事を終える前に十分な量のタケノコを置き、夜の当番も見回って、夜におなかをすかせないようにしています」と語っています。
訓練では優等生のチーザイ
訓練では、最後まで根気よく取り組みます。途中で飽きてしまうパンダが多いなか、飼育員の言うとおりに1つずつ動きをこなし、ごほうびはゆっくり味わいます。そのため、中国語で優等生を意味する学霸(シュエバー)と呼ばれています。
2021年の訓練では、飼育員が長い棒の先にリンゴを付けました。チーザイは体を支えながら、ゆっくり立ち上がります。リンゴを追って壁ぞいに10歩ほど歩き、タイミングを見計らって両手でパチン。ようやくリンゴを手にしました。これを何度もくり返して、訓練は30分ほど続きました。
冬は体力づくりの季節です。飼育員に誘われると、前足を地面から離し、人のように後ろ足で歩きます。陝西省の秦嶺大熊猫研究中心(パンダの飼育と研究をする施設。以下、研究中心)では、3歳以上のパンダがこの運動をします。毎年11月から1日2回ほど歩いて、後ろ足をきたえています。
2021年3月、担当の飼育員は、この運動のわけをこう話しています。「11歳のチーザイは110kg余りあります。この訓練で後ろ足の力が大きく増し、新しい年の繁殖にうまく加わって、成功する見込みを高められます」(2021年3月30日 人民網陝西より)。
2023年には、切ったニンジンを長い竹ざおにさし、2階から下ろす訓練も伝えられました。飼育員がひと声「チーザイ!」と呼ぶと、チーザイは走ってきます。後ろ足で立ち、前足を伸ばしてニンジンを取りました。
2025年6月の健康診断では、飼育員が体重をはかり、口の中や歯、上あごを調べました。チーザイは立ち上がってお腹と手足を見せ、採血も受けています。動いてほしい時は、飼育員がニンジンで誘いました。
チーザイのこれまでの歩み
赤ちゃんのころから、いまの公園で暮らすまでを、順にたどります。
茶色い赤ちゃんが保護された夜
2009年11月1日の夜7時ごろ、研究中心に、佛坪(ぶつへい)県の林業局から電話が入りました。村の人が、置き去りにされた薄い茶色の動物の赤ちゃんを見つけたという知らせです。見つかったのは、佛坪国家級自然保護区の三官廟(さんかんびょう)・牌坊溝のあたりです。
夜8時半に赤ちゃんを受け取った人たちは、とまどいました。ヒグマなら全身が茶色ですが、この子はそうではありません。パンダにしては、目のまわりや肩の帯がはっきりしません。冗談まじりに、伝説の茶色いパンダではないかと話したといいます。
赤ちゃんは生後1か月半から2か月ほどで、まだ目も開いていませんでした。腸が詰まり、ひどい脱水も起こしていました。研究中心に戻ったのは、夜11時。体には寄生虫がたくさんついていました。鼻は乾き、目は少しくぼみ、鳴き声もかすれていました。心拍は1分に120回近くあり、楽観できない状態だったと伝えられています(2018年11月21日 鳳凰網〔西安日報〕より)。
そこで獣医がお腹をマッサージすると、数分後に12cmほどの硬いフンが出て、みんなが胸をなで下ろしました。
すぐにミルクをあげましたが、元気がなく、4分の1も飲まずに眠ってしまいます。それでも、食欲は日に日に増していきました。やがて、ごはんの時間の前からおなかをすかせ、大声で鳴いてミルクを催促するようになりました。
乳母の珠珠と、ミルクを横取りされた1歳のころ
チーザイは、西安市郊外の楼観台(ろうかんだい)にある研究施設で育てられました。粉ミルクと母乳をあわせて育てるため、乳母に選ばれたのが珠珠(ジュージュ)です。体が丈夫で、お乳がよく出て、自分の子が1頭だけだったからです。
飼育員はチーザイに珠珠のおしっこをつけ、においをなじませてから、珠珠の胸に抱かせました。珠珠は毛色の変わった赤ちゃんを不思議そうに見て、においをかぎ、わが子として育てました。世話は、生後半年すぎまで続きました。
その後、職員はチーザイの体を調べ、健康で、うつる病気や寄生虫もないことを確かめました。そのうえで、チーザイは2009年に研究中心で生まれた3頭と一緒に暮らし始めました。1歳のころは、4頭で並んでミルクを飲みます。チーザイはゆっくり飲むので、半分ほどで、ほかの子にお皿ごと横取りされてしまいます。
それでも争わず、そばで見ているだけでした。飲み終わった空のお皿を拾っては、何度もなめていたといいます。
研究中心は、チーザイの育ちに響かないよう、1頭だけの部屋で育てることにしました。張り合う仲間がいなくなると、歩くのも食べるのも、ますますゆっくりになりました。
外では、同い年の仲間と相撲やかくれんぼをしました。動きがゆっくりなので、ひっくり返ったり、築山から転げ落ちたりします。それでも怒らず、また仲間のところへ遊びに行きました。遊び仲間には、二郎(アルラン)というパンダもいました。
佛坪の山の基地で過ごした約3年
2014年12月28日、チーザイは、野生に近い暮らしを学ぶ佛坪の訓練基地へ移りました。ここでは、雪花熊(雪の花のクマという意味)とも呼ばれていました。
チーザイは、歩く時は内股です。木には、あっという間に登ってしまいます。ここでも、ミルクを飲み終わるとお皿をきれいになめ、頭にかぶったり、いす代わりに座ったりして遊びました。座ってお皿を壊してしまうことも、よくありました。
目をぱちぱちさせながら、静かに座って考えごとをしているような時もあります。紳士のように、雪を踏んで散歩する時もあります。用を足すのは、寝床や竹を食べる所から離れた、決まった場所でした。
基地に来た時に89kgだった体重は、2017年1月には100kgを超えました。このころ、竹は毎日40kgあまり食べていました。飼育員は1日4回竹をあげ、粉ミルクやリンゴ、ニンジンなども足していました。
基地の飼育員は「チーザイはときどき私たちより早起きで、6時すぎにはもう庭を歩き回っています。おなかをすかせるわけにはいきません」と話していました。
2017年11月、チーザイは楼観台へ戻りました。2018年の報道では、おとなになったチーザイの体重は120kgと伝えられました(2018年8月28日 央視網より)。
チーザイが父親になるまで
2017年、チーザイは研究中心の人工繁殖に加わりましたが、子どもは生まれませんでした。2018年には、自然交配の訓練が始まります。訓練では、リンゴやニンジンを高い所につるしたり、草むらに投げたりしました。立ち上がって取らせたり、においで探させたりするためです。
その年の6月下旬に、乳母だった珠珠と隣どうしの部屋で過ごすと、2頭はすぐに仲よくなりました。ただ、初めて試みた自然交配は、うまくいきませんでした。メスが妊娠できる時期は、1年に1〜3日しかありません。その時期を逃さないよう、人工授精が行われました。
2020年3月、チーザイは安安(アンアン)というメスと、初めて自然交配までたどり着きました。研究中心の職員は「最初はうまくできないので、経験のあるメスに教えてもらうのです」と話しています。
同じ月には、子どものころの遊び仲間の二郎も、安安と自然交配をしました。研究中心で、2頭のオスがそれぞれ自然交配まで進んだのは、これが初めてです。飼育されているオスのうち、自然交配ができるのは5%に満たないといわれます。
その春のチーザイは、落ち着きませんでした。飼育員によると、住まいの壁ぎわを何度も走り回り、足もとの草がはげてしまったほどです。壁の窓の前から離れようとせず、口を開けて息を切らすまで走っては、草地の真ん中の池でひと休みしていました。壁の向こうには、同じくらいの年のオスがいました。壁ごしに、ほえ合うこともあったそうです。
2020年10月11日、チーザイは父親になりました。生まれた秦华(チンファ)の母は、安安ではなく、乳母だった珠珠です。珠珠は20歳で、研究中心で最も高齢での出産でした。
父親になる前の2019年11月20日には、アメリカ・デンバーの団体Pandas International(熊猫国際)が、チーザイの終身の里親になりました。この団体は研究中心に、ワクチンや発電機、赤ちゃんパンダ用の粉ミルクなどを贈ってきました。里親になる権利は、そのお礼として贈られたものです。
秦嶺四宝科学公園の人気者に
2021年5月28日、楼観台の秦嶺四宝科学公園が、試しの営業を始めました。チーザイは、ここで最初に暮らし始めたパンダの1頭です。2023年の時点で、公園で公開されているパンダは、チーザイを含めて14頭でした。
2025年には、チーザイ専用の寝室・居間・庭があり、毎日のんびり食べて散歩していると伝えられました。2025年11月の報道では、体重は120kgほどで安定していると報じられています(2025年11月24日 人民日報より)。
年表で見るチーザイの歩み
- 2009年11月1日:佛坪国家級自然保護区で、生後1か月半から2か月ほどの赤ちゃんのときに保護される
- 2014年12月28日:野生に近い暮らしを学ぶ、佛坪の訓練基地へ移る
- 2017年11月:楼観台へ戻る
- 2018年:自然交配の訓練が始まる
- 2019年11月20日:アメリカの団体が、チーザイの終身の里親になる
- 2020年3月:安安と、初めて自然交配までたどり着く
- 2020年10月11日:珠珠との間に、秦华が生まれる
- 2021年5月28日:秦嶺四宝科学公園が試しの営業を始める。チーザイは、ここで最初に暮らし始めたパンダの1頭
- 2021年7月16日:正正(ジョンジョン)との間に、八仔(バーザイ)が生まれる
- 2022年7月27日:锦心(ジンシン)との間に、荣荣(ロンロン)が生まれる
チーザイの家族
子どもが生まれたパートナーは3頭で、それぞれとの間に1頭ずつ、3頭の息子がいます。
両親
シーユエ(父)
中国での名前:喜悦(シーユエ)
性別:雄
生年月日:分かっていません(野生のパンダ)
現在の状況:佛坪国家級自然保護区の野生
(2025年6月17日 国家林業和草原局より)
ニウニウ(母)
中国での名前:妞妞(ニウニウ)
性別:雌
生年月日:分かっていません(野生のパンダ)
現在の状況:佛坪国家級自然保護区の野生
(2024年3月4日 米国科学アカデミー紀要〔PNAS〕の論文より)
チーザイときょうだい
チーザイ(本人)
中国での名前:七仔(チーザイ)
性別:雄
生年月日:2009年(月日は分かっていません)
現在の状況:陝西省西安市周至県・楼観台の秦嶺四宝科学公園(公開)
(2026年5月26日 西安日報より)
チーザイには、母親が同じで父親が違うきょうだいもいますが、ここでは省略しています。
パートナー
ジュージュ(パートナー)
中国での名前:珠珠(ジュージュ)
性別:雌
生年月日:2000年8月
現在の状況:秦嶺四宝科学公園(公開)
ジョンジョン(パートナー)
中国での名前:正正(ジョンジョン)
性別:雌
生年月日:2012年7月
現在の状況:秦嶺四宝科学公園(非公開)
ジンシン(パートナー)
中国での名前:锦心(ジンシン)
性別:雌
生年月日:2007年8月6日
現在の状況:秦嶺四宝科学公園の大熊猫1号館(公開されているかは分かっていません)
(2026年4月 《看熊猫》より)
珠珠との子ども
チンファ(息子)
中国での名前:秦华(チンファ)
別名:盼盼(パンパン)
性別:雄
生年月日:2020年10月11日
現在の状況:洋県・華陽景区の秦嶺四宝園(公開)
(2025年10月11日 新華網、2025年4月 《看熊猫》より)
正正との子ども
バーザイ(息子)
中国での名前:八仔(バーザイ)
性別:雄
生年月日:2021年7月16日
現在の状況:洋県・華陽景区の秦嶺四宝園(公開)
(2025年7月20日 CGTN Japanese/AFPBB News、2025年4月 《看熊猫》より)
锦心との子ども
ロンロン(息子)
中国での名前:荣荣(ロンロン)
別名:锦小七
性別:雄
生年月日:2022年7月27日
現在の状況:秦嶺大熊猫研究中心(公開)
(2026年5月10日 央視網。公開は2025年5月初めの時点 《看熊猫》より。別名は2025年6月 《看熊猫》より)
※現在の状況の出どころ:とくに書いていないカードは、2025年5月初めの時点 《看熊猫》2025年6月より
※パンダの飼育場所や公開方針は今後変更される可能性があります。最新情報は飼育施設の公式発表をご確認ください。
野生の父・喜悦と母・妞妞
母が妞妞だと分かったのは、チーザイが保護された場所に落ちていたフンを調べたからです。父は、あたりのパンダ157頭の遺伝子を調べて、喜悦だと突き止めました。
父の喜悦は、2007年に中国科学院の研究に選ばれたパンダです。ちょうどよい研究の相手が見つかった喜びから、喜悦(よろこび)と名づけられました。人を怖がらず、秦嶺で人がそばに寄って撮影できる、ただ1頭の野生のパンダといわれています。そのため、ドキュメンタリーでは、赤ちゃんや若いオス、出産を待つ母パンダの役まで演じました。パンダ界の全能影帝(何でも演じる名優)と呼ばれています(2025年12月4日 華商網より)。
喜悦は木の下で2日2晩待ち続け、木の上から見ていた妞妞の心をつかんだと伝えられています。2013年の春にはメスを争って左下の犬歯を折られ、2023年3月には19歳ごろでも山を越えてお見合いに向かう姿を、村の人が見ています。
2025年6月9日の朝には、三官廟の民家の巣箱に寄りかかって座りこみました。巣箱を倒されないよう家の人が蜜を前に置くと、慣れた様子で食べて竹林へ帰っていきました(2025年6月17日 国家林業和草原局〔中国緑色時報〕より)。
3頭のパートナーと、3頭の息子
秦华は口のまわりに小さな黒い点があり、マスクをしているように見えます。そのため、小口罩(小さなマスク)とも呼ばれています。この黒い毛は、珠珠の母・白雪(バイシュエ)から続く一族に多い特徴で、秦华はその3代目です。父チーザイの賢さを受け継いだ、見るからに機転のきく子とも紹介されました(2025年4月 中国のパンダの専門誌《看熊猫》より)。
八仔は、左右そろった黒い目のまわりをしていて、顔は母・正正ゆずりのふっくら顔です。正正は丸い顔とふかふかの毛から蒸包(蒸しまんじゅう)と呼ばれ、そこから八仔には菜包子(野菜まん)という愛称がつきました(2025年4月 《看熊猫》より)。
2025年7月16日、八仔は洋県(ようけん)の秦嶺四宝園で4歳の誕生日を迎えました。チーザイのいる秦嶺四宝科学公園とは、名前は似ていますが別の施設です。飼育員は竹・タケノコ・花などで特製のケーキを用意し、スイカやニンジンもそろえました(2025年7月20日 CGTN Japanese/AFPBB Newsより)。
いま、チーザイの住まいの左隣には、パートナーの锦心が暮らしています。锦心は、目のまわりの黒い模様が小鳥のような形をしています。2015年から2018年に、3回の出産で6頭を産みました。食べるのがとても速く、チーザイがタケノコを1本食べ終わらないうちに、2本食べてしまいます(2026年4月 《看熊猫》より)。
荣荣は、寝そべって食べる姿が父のチーザイとそっくりです(2026年5月10日 央視網より)。顔が大きく、口が短いのも特徴です。そのため、ミルクを飲む時のしぐさもチーザイによく似ていて、お皿を持ち上げないと飲み干せないと紹介されました(2025年6月 《看熊猫》より)。
チーザイに会える場所
秦嶺四宝科学公園は、研究中心が来園者に公開している公園です。チーザイの住まいは、この公園の大熊猫1号館です(2026年4月 《看熊猫》、2026年5月26日 西安日報、2026年10月3日 新浪陝西〔央視網の報道の紹介〕より)。
パンダの公開は、体調や施設の都合で急に変わることがあります。出かける前に、公式の案内で確かめてください。
秋の運動場を歩く、17歳ごろのチーザイ
山で置き去りにされていた茶色い赤ちゃんは、乳母の珠珠に育てられ、3頭の息子の父になりました。のんびりしていて気がやさしく、ニンジンは小さいころから大好きです。
2026年の秋も、西安の公園では、昼の運動場を歩くチーザイの姿が伝えられています。
パンダプラネットには、チーザイの姿を本物そっくりに再現したSeeU PANDAのぬいぐるみ、お座りリアルパンダ(チーザイミニ)があります。ほかにも、寝そべり赤ちゃんパンダのチーザイや、アクリルキーホルダー、缶バッジなどがあります。興味がありましたら、下のグッズもご覧ください。
パンダプラネットのチーザイグッズ
チーザイのグッズ
出典
※本記事は、中国の国家林業和草原局・中国科学院・陝西省の発表と、新華社・央視・人民網・中国新聞網・西安の地元紙などの報道、研究論文をもとに、出典を確認のうえ作成しています。
- 人民網「棕色七仔过冬记(美丽中国·冬之旅)」(2017年1月20日)
- 新華網(百科四川)「巧克力熊“七仔”」(2018年4月3日)
- 央視網「陕西秦岭:世界上唯一的圈养棕色大熊猫成功配对」(2018年8月28日)
- 鳳凰網(西安日報)「棕色大熊猫“七仔” 从弃婴到明星的别样“熊生”」(2018年11月21日)
- 央視網「全球唯一圈养棕色大熊猫“七仔”被认养」(2019年11月20日)
- AFPBB News「世界唯一の茶色パンダ「七仔」が養子に」(2019年11月21日)
- 新京報「两只雄性秦岭大熊猫首次完成自然交配,风险低于人工授精」(2020年3月23日)
- 新華網「棕色大熊猫“七仔”:在秦岭,为爱跑圈」(2020年4月25日)
- 人民網陝西「七仔的幸福生活」(2020年9月1日)
- 人民網陝西「七仔:最具“绅士风度”的大熊猫」(2021年3月30日)
- 新華網「秦岭四宝科学公园开园试运营」(2021年5月28日)
- 央視網「每天消耗春笋100斤!棕色大熊猫“七仔”」(2022年5月2日)
- 鳳凰網(環球網)「官方回应:大熊猫“秦华”“八仔”为棕色大熊猫“七仔”后代」(2023年5月30日)
- 人民網陝西「秦岭里的国宝!大熊猫“七仔”」(2023年11月7日)
- AFPBB News(CGTN Japanese)「世界に1頭だけの茶色パンダ「チーザイ」」(2024年1月12日)
- PNAS(米国科学アカデミー紀要)「Taking a color photo: A homozygous 25-bp deletion in Bace2 may cause brown-and-white coat color in giant pandas」(2024年3月4日)
- 江西農業大学「校长魏辅文院士团队揭示棕色大熊猫毛色变异的遗传机制」(2024年3月6日)
- 中国科学院「科学家揭示棕色大熊猫毛色变异的遗传机制」(2024年3月7日)
- 国家林業和草原局(科普時報)「研究揭开大熊猫“变色”之谜」(2024年4月18日)
- 央視網「[正点财经]简讯 陕西西安:大熊猫“正正”迎来12岁生日」(2024年7月12日)
- 央視網「进入夏季,大熊猫为何“扎堆”过生日?」(2024年7月28日)
- 央視網「全球唯一圈养棕色大熊猫 七仔的“串串”早餐大揭秘」(2024年11月30日)
- 读者报(《看熊猫》)「自然探秘所|走进秦岭四宝园」(2025年4月)
- 读者报(《看熊猫》)「自然探秘所|走近秦岭四宝科学公园」(2025年6月)
- 国家林業和草原局「大熊猫“喜悦”与秦岭村民的“甜蜜”约定」(2025年6月17日)
- 国家林業和草原局(央視)「大熊猫体检都查啥?有请模范生“七仔”给大家做个示范」(2025年6月19日)
- AFPBB News(CGTN Japanese)「茶色のパンダ「チーザイ」の子「バーザイ」 4歳の誕生日を迎える」(2025年7月20日)
- 新華網「仪式感拉满 大熊猫“秦华”迎来五岁生日」(2025年10月11日)
- 人民網(人民日報)「珍爱“国宝” 写好大熊猫保护故事」(2025年11月24日)
- 華商網「秦岭深处邂逅野生大熊猫」(2025年12月4日)
- 極目新聞(央視)「AI生成熊猫视频大火 带你看真实生活中的“七仔”」(2025年12月16日)
- AFPBB News(CGTN Japanese)「雪の中で新年を祝うパンダ 中国各地の飼育施設で観客が大喜び」(2026年1月5日)
- 西安市秦嶺生態環境保護管理局「守护国宝中的“美人”」(2026年2月27日)
- 读者报(《看熊猫》)「“滚滚”漫生活|左一口,右一口,大熊猫“锦心”吃得可真快」(2026年4月)
- 央視網「打滚儿、泡澡……大熊猫“七仔”雨后玩嗨了」(2026年4月22日)
- 央視網「“左右开弓”躺着吃!来看大熊猫“荣荣”的松弛感吃播」(2026年5月10日)
- 西安市紀委網站(西安日報)「西安奋力书写秦岭生态保护新答卷」(2026年5月26日)
- 国際在線「“源来周至”,不止“七仔”!」(2026年9月9日)
- 国家林業和草原局(新華網)「想不到吧,秦岭的熊猫不仅脸萌,颜色也玩起了“限定款”!」(2026年9月11日)
- 中国新聞網「陕西大熊猫,更像猫!」(2026年9月16日)
- 国家林業和草原局(中国緑色時報)「在秦岭,见证一场人与自然的“双向奔赴”」(2026年9月28日)
- 新浪陝西(央視網の報道の紹介)「白天频繁亮相 大熊猫拿捏国庆假期营业节奏」(2026年10月3日)










