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成都の微笑みパンダ・ベイチェンはいま?性格と家族の歩み

中国・四川省の成都大熊猫繁育研究基地(パンダの繁殖と研究をする施設。以下、成都の基地)に、いつも微笑んでいるような顔で人気を集めているオスのパンダがいます。2022年生まれの北辰(ベイチェン)です。

この記事では、ベイチェンがどんな性格の子なのかと、母の北川(ベイチュアン)や双子の弟の北侠(ベイシャー)とたどってきた歩み、いまどこで暮らしているのかを紹介します。

ベイチェンはいま、どこで暮らしている?

ベイチェンは、いまも成都の基地で暮らしています。2026年7月10日には、4歳の誕生日を迎えました。飼育下のパンダの血統登録では、1279番です。

2026年8月の時点では、基地の中にある江月館(こうげつかん)の4号院で、同じ2022年生まれのオスの仲間、娇毅(ジャオイー)・徵羽(ジーユー)と3頭で暮らし、公開されていました(2026年8月9日 看熊猫〔読者報〕より)。2頭とは、基地の中の別の館・星漢館(せいかんかん)にいたころから一緒に暮らしています。

同じ記事には、ある日の午後4時すぎの様子が書かれています。おやつのあと、ベイチェンは木の枝の分かれ目に座って休み、来園者を眺めたり、顔を上げて枝の小鳥を見上げたりしていました。

そのあと木を降りて、水場で水を飲みます。水場ではジャオイーが水浴びをしていて、ベイチェンは水を飲みながらも、ジャオイーから目を離しません。1分ほどしてジャオイーが近づき、前足でベイチェンの頭をぽんとたたきました。ベイチェンはよけきれず、一発もらってしまいます。

ジャオイーは水場から上がってベイチェンのいた場所を取り、水を飲んだあと、またベイチェンに飛びかかりました。今度はベイチェンが体をかわし、ジャオイーは空振り。2頭は水場でしばらく遊び、追いかけっこをしながら、数十メートル先の木の杭のほうへ行きました。

2026年9月28日の中国の経済紙の記事は、成都の基地で、自分の力で人を呼べる人気のパンダとして、愛称の花花(ファーファー)で知られる和花(ホーファ)とベイチェンの名前を挙げています(2026年9月28日 経済日報より)。

ベイチェン

日本での呼び名:ベイチェン

中国での名前:北辰(ベイチェン)

愛称:小甜包(スイートパン)、小川包

性別:雄

生年月日:2022年7月10日

生まれた所:成都大熊猫繁育研究基地の月亮産房(四川省成都市)

きょうだい:双子の弟・北侠(ベイシャー)(ベイチェンは双子の兄)

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ベイチェンはどんな性格?微笑みの顔と元気な毎日

母ゆずりの丸顔と、甘い笑顔の愛称

ベイチェンの顔は、母のベイチュアンゆずりの丸顔です。母は頭が丸く、中華まんのようなので川包包と呼ばれています。その愛称にちなんで、ベイチェンは小川包(小さな川まん)とも呼ばれています。

かわいらしい表情で見る人を思わず笑顔にすることから、小甜包(スイートパン)という愛称もあります。中国の国際テレビ・CGTNの日本語版は、ベイチェンを、微笑みを絶やさないパンダとして紹介しました。

中国の国営テレビのパンダ専門チャンネル・iPandaは、ベイチェンを基地之草と呼びました。基地のイケメン、という意味の呼び方です。母のベイチュアンは、基地の美人という意味の基地之花。CGTNの英語版も、ファンの心をつかんで基地でいちばんハンサムなオスと呼ばれた、と伝えています。

2024年4月には、iPandaの動画に「北辰の微笑みに勝てる人はいる?」という声が寄せられました。中国の動画メディアの公式アカウントも、甘い笑顔で新しい人気者になった、と紹介しています。

いつも元気で、じゃれ合いが大好き

iPandaによると、ベイチェンはいつも元気いっぱい。ほかのパンダとじゃれ合っているか、じゃれ合いに行く途中だそうです。

iPandaは、雨にぬれたベイチェンの姿から、ふわふわの毛の下に実のつまったがっしりした体があると伝えました。木の上に立つとすぐにポーズが決まる、カメラ映えする子だとも紹介しています。新しい座り方を発明した、と取り上げられたこともありました。

ひんやりした休み棚と、カンフー風の食べ方

成都大熊猫繁育研究基金会という財団の日本語ページによると、ベイチェンは夏が近づくと、ひんやりした木の休み棚(休むための木の台)で遊ぶのが大好きです。棚の上で寝るのが好きで、休んだあとは元気に棚を登り降りします。

食べ方にも特徴があります。CGTNの英語版は、脚でタケノコを押さえて食べる様子をカンフー風と伝えました。星漢館にいたころには、頭を揺らしながら食べる姿も伝えられています。

仲間思いで、仲よしも多い

星漢館では、ベイチェンと、ジャオイー、ジーユー、同じ日に生まれた家欣(ジャーシン)、文静(ウェンジン)の5頭が、星漢F5と呼ばれました。オス3頭(ジャオイー・ベイチェン・ジーユー)が同じ所にいて、ジャーシンとウェンジンはそのとなりでした。江月館でも、オス3頭のとなりの庭にジャーシンとウェンジンがいて、いまは江月F5と呼ばれています。

基金会によると、ベイチェンは、ジャオイーががんばるときは横で励まし、ジャオイーが竹をたくさん食べて力をためるときは、静かにそばにいるそうです。

2025年12月には、ベイチェンとジャオイー、ジーユーの3頭が、新鮮な竹で茶話会を開いたと基金会が紹介しました。

ウェンジンとも仲よしです。iPandaは「ウェンジンが釣り糸を垂れると、ベイチェンが食いつく」と書きました。ウェンジンが誘うと、ベイチェンがすぐ乗ってくる、という意味のたとえです。

ベイチェンのこれまでの歩み

15頭が生まれた年に、太陽産房で育つ

月亮産房で双子の兄として生まれたベイチェンは、その後、太陽産房で育っています。どちらも、赤ちゃんパンダを育てる建物です。

2022年は、成都の基地で11回のお産があり、15頭(双子4組)が生まれた年です。9月28日には、そのうち13頭が太陽産房で初めてそろって公開されました。中国の建国記念日(国慶節)が73回目になることなどを祝う顔見せで、13人の飼育員が1頭ずつ抱いて、73の字の形に並んだそうです。

12月29日には、元旦前の顔見せがありました。太陽産房に、生後半年ほどの13頭が飼育員に抱かれて登場しています。太陽産房で暮らす6頭と、月亮産房で暮らす7頭です。ベイチェンは太陽産房の6頭の1頭、双子の弟のベイシャーは月亮産房の7頭の1頭でした(弟のことは、家族の章で紹介します)。この日に、赤ちゃんたちの名前も公開されました。いちばん重いジャオイーは12kgを超え、いちばん小さい子は6kgほどでした。

成都の基地の飼育管理部のベテランの専門家は「15頭はどれも今年6月から8月に生まれ、活発で遊ぶのが大好き。動くのはお昼どきが多い」と話しました。

微笑みが評判になり、人気者に

2024年4月には、性格の章で紹介したように、微笑みの顔が評判になりました。

4月29日には、バドミントンの国際大会(トマス杯・ユーバー杯)で中国を訪れた海外の関係者が基地を訪ね、竹を大口で食べるベイチェンを見ています。

4月30日には、中国の国営通信社・新華社のニュースサイトが春の散歩の様子を伝えました。小鳥が道案内をするように先を飛び、ベイチェンは蝶と一緒に花の中を歩いたそうです。

5月21日には、しばらくのひとり暮らしを終えて、星漢館で仲間と同じ運動場で暮らし始めたことが伝えられました。

5月24日には、CGTNの日本語版とiPandaが、星漢館の密林探索エリアにいた1歳10か月のベイチェンをライブ配信しました。

5月の終わりには、仲間とけんかをしたことも伝えられました。新華社のニュースサイトは、甘いイメージが台なしになりそうだ、と書いています。

7月10日には、ベイチェンとベイシャー、ジャーシンが2歳の誕生日を迎えました。

そのあと、星漢F5の5頭は、同じ基地の江月館へ移りました。移った日は発表されていませんが、2026年1月の記事では、5頭はもう江月館で暮らしていました。

年表で見るベイチェンの歩み

  • 2022年7月10日:成都の基地の月亮産房で、双子の兄として生まれる
  • 2022年9月28日:2022年生まれの15頭のうち13頭が、太陽産房で初めてそろって公開される
  • 2022年12月29日:元旦前の顔見せ。赤ちゃんたちの名前が公開される
  • 2024年4月29日:トマス杯・ユーバー杯で中国を訪れた海外の関係者が、竹を食べるベイチェンを見る
  • 2024年5月21日:ひとり暮らしを終え、星漢館で仲間と暮らし始めたと伝えられる
  • 2024年5月24日:CGTNの日本語版とiPandaが、ベイチェンのライブ配信をする
  • 2024年7月10日:2歳の誕生日
  • 2026年1月30日:星漢館の5頭が、江月館で暮らしていると伝えられる
  • 2026年7月10日:4歳の誕生日
  • 2026年9月28日:中国の経済紙が、成都の基地の人気のパンダとして名前を挙げる

母ベイチュアンと双子の弟ベイシャー

両親

ベイチュアン(母)

中国での名前:北川(ベイチュアン)

性別:雌

生年月日:2006年ごろ(野生で生まれたため、日付は分かっていません)

現在の状況:成都大熊猫繁育研究基地(公開)

(2026年9月30日 CREA WEB〔5月1日の観覧の記録〕、2026年4月 看熊猫(読者報)より)

不明(父)

名前:公式の発表は見つかりませんでした

ベイチェンときょうだい

ベイチェン(本人)

中国での名前:北辰(ベイチェン)

性別:雄

生年月日:2022年7月10日

現在の状況:成都大熊猫繁育研究基地 江月館4号院(公開)

(2026年8月9日 看熊猫(読者報)より)

ベイシャー(双子の弟)

中国での名前:北侠(ベイシャー)

性別:雄

生年月日:2022年7月10日

現在の状況:都江堰 熊猫谷(公開)

(2026年9月28日 大衆健康報(川観新聞)、2026年9月20日 科技日報より)

このあと紹介する川仔・北香果・北冰など、母が同じきょうだいは、ベイチェンの父親が発表されていないため、父親も同じかどうかが分かりません。そのため、この家系図には載せていません。

※パンダの飼育場所や公開方針は今後変更される可能性があります。最新情報は飼育施設の公式発表をご確認ください。

地震のあとに見つかった野生のパンダ、母ベイチュアン

母のベイチュアンは、2008年の四川の大地震のあと、北川県で見つかった最初の野生のパンダです。2010年4月26日の午前、北川県の村で、村の人が見つけました。まだ若く、パンダがひとりで暮らし始める年ごろだったといいます。動きが鈍く、歩いては止まり、息を切らしていたそうです。

その日の夕方5時30分に知らせを受けた成都の基地は、6人の救護班を2台の車で送り出しました。7時間あまりの道のりの末、村に着いたのは27日の午前2時。ベイチュアンは、その27日に成都の基地へ運ばれました。

獣医院の副院長の話では、体重は約50kg。同じくらいの若いパンダなら、70〜80kgあるところです。おなかの病気で貧血と脱水を起こし、内臓にも重い障害がありました。竹を少し食べるだけで、タケノコやリンゴは口にしなかったといいます。

地震から2年がたったころ、市民の声を受けて、見つかった北川県にちなんで北川と名付けられました。1年あまりの治療のあと、2011年10月17日に国の許可を受けて、成都の基地が正式に引き取りました。飼育下のパンダの血統登録では、765番です。

治療の間、栄養を戻すために濃い餌を多く与えていたので、人の世話に慣れました。そのため野生には戻さず、基地で暮らすことになったそうです。2022年の記事では、体重は100kgを超えていると伝えられています。

性格は内気で、警戒心が強いほうです。少しの物音でも周りを見回し、よく木の上にいて、周りをじっと見ています。いちばんの好物はタケノコで、1本ずつきれいに食べます。性格の章で紹介した川包包(川包子とも)の呼び名は、目のまわりの黒が小さめで頬の毛がふっくらした、この丸い顔から付きました。

2026年の記事では、母性がとても強く、ほかの子の育ての母もつとめていると紹介されています。子が木に登ると、下で幹を支えるそうです。2018年から2025年にかけて4回出産し、5頭を産んでいます。

左前足を失っても元気な、双子の弟ベイシャー

双子の弟のベイシャーは、生まれた時100gに届かない小さな赤ちゃんでした。生まれて24時間たたないうちに、母がくわえて運ぶ時に力が入りすぎ、左前足と下あごを傷めました。獣医は「母親の子育ての経験が足りず、くわえる力の加減を誤った」と話しています。左前足は、手術で失いました。

月亮産房では、別の母パンダの绩丽(ジーリー)が、自分の子と一緒にベイシャーの世話をしました。

生後3か月ごろには、下あごが左へずれて、乳がもれるようになりました。2023年の初め、成都の基地と四川大学華西口腔医院が、人の歯の矯正の考え方で下あごを治しています。世界で初めての治療でした。

医師たちは病院の仕事を終えてから基地へ向かい、矯正の処置は夜9時から深夜1時まで続きました。装置を付けたあとは、輪ゴム3本で6か月を過ごしています。乳を飲む前に外し、飲み終わるとまた付けたそうです。2026年7月には、この症例が矯正の専門誌に載りました。

ベイシャーは2026年4月に、成都の基地の本部から、都江堰市にある基地の施設・熊猫谷へ移りました。いまは同じ2022年生まれの绩然(ジーラン)、科念(コーニエン)と3頭で、熊猫谷の中の建物の一つ、回帰産房で暮らしています。熊猫谷の飼育員は「食べる量、元気さ、体重、ふんなどを見ると、ベイシャーは4歳のパンダとして健康な水準にあります」と話しています。活発で、木登りは一緒にいる2頭よりうまいそうです。

下あごを治した医師によると、ベイシャーは左前足の残った部分でタケノコを支え、右の前足で持って、左右両方の歯でかんでいます。名前のとおり、大侠(ヒーロー)のようにねばり強い子だと伝えられています。

母が同じきょうだいたち

ベイチェンには、母が同じきょうだいとして、2018年生まれの川仔(チュアンザイ)、2023年生まれの北香果(ベイシャングオ)、2025年生まれの北冰(ベイビン)もいます。北香果は、兄にあたるベイシャーに顔がよく似ていて、木登りが得意です。

ベイチェンに会える場所

ベイチェンがいるのは、四川省成都市の成都大熊猫繁育研究基地の、最初の章で紹介した江月館です(2026年8月9日 看熊猫〔読者報〕より)。公式サイトは https://www.panda.org.cn/ です。

公開のようすは、パンダの体調や引っ越しで急に変わることがあります。出かける前に、公式サイトで新しい情報を確かめてください。

微笑みの顔の向こうにある、にぎやかな暮らし

ベイチェンは、地震のあとに助けられた母から丸顔を受け継ぎました。双子の弟は、けがを乗り越えて元気に暮らしています。ベイチェン自身は、仲間とじゃれ合い、休み棚で眠り、カンフー風にタケノコを食べてきました。いつも微笑んでいるような顔の向こうには、にぎやかな毎日があります。

パンダプラネットには、ベイチェンの姿を本物そっくりに再現したお座りのぬいぐるみ(ミニ)や、缶バッジがあります。興味がありましたら、下のグッズもご覧ください。

パンダプラネットのベイチェングッズ

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出典

※本記事は、成都大熊猫繁育研究基地・成都大熊猫繁育研究基金会の資料と、新華網・中国新聞網・央視網(熊猫頻道)・CGTN・封面新聞・紅星新聞・看熊猫(読者報)などの報道をもとに、出典を確認のうえ作成しています。

この記事の著者

パンダプラネット編集部

パンダグッズのお店「パンダプラネット」の編集部です。動物園の公式発表や日本・中国の報道を確かめて、パンダの記事をお届けしています。

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