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米アトランタ動物園に来た平平と福双はどんな2頭?11月6日公開

2026年9月27日、中国・成都で育った2頭のパンダが、アメリカ・ジョージア州のアトランタ動物園に着きました。オスの平平(ピンピン)と、メスの福双(フーシュアン)です。

2頭はどんなパンダで、なぜ選ばれたのか。いつから会えるのか。日本で人気のファーファー(和花)の祖父母も暮らした、アトランタとパンダの25年の歩みとあわせて紹介します。

平平と福双のいま 会えるのは11月6日から

2頭はいま、約1か月の検疫中です。検疫とは、新しく来た動物の健康を確かめるため、決まった期間ほかとへだてて様子を見ることです。そのため、まだ一般には見られません(2026年9月27日 アトランタ動物園より)。

中国の国営通信社・新華社によると、着いたときには中国とアメリカの獣医・飼育員が一緒に2頭を調べ、どちらも健康は良好でした。中国の獣医と飼育員は3か月アトランタにとどまります。検疫の間の世話をしながら、緊張をやわらげるための訓練や行動の訓練をして、2頭が早く新しい環境になじめるようにするそうです。

9月30日には、動物園の公式SNSに到着後初めての動画がのりました。福双は食欲旺盛に竹を食べています。まわりで音がすると、ときどき手を止めて、あたりを見回していました(2026年10月8日 CGTN Japanese/AFPBB Newsより)。

一般公開は、2026年11月6日の予定です。改修した新しいパンダの施設のオープンと同じ日で、当日は開園時間を遅らせます。ライブカメラ(パンダカム)の再開は、今後お知らせするとしています(2026年10月6日 アトランタ動物園より)。※パンダの飼育場所や公開方針は今後変更される可能性があります。最新情報は飼育施設の公式発表をご確認ください。

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平平(ピンピン)はどんなパンダ?

飼育下で2020年の世界第1号となった双子の兄

平平は2020年3月17日、中国・四川省成都市の成都大熊猫繁育研究基地で生まれました。繁育研究基地とは、パンダを繁殖させ、研究する施設のことです。生まれたのは、「太陽産房」と名づけられた基地の産室でした。

母は福娃(フーワー)。双子で生まれ、平平が兄、安安(アンアン)が弟です。兄は12時57分生まれで159.8g、弟は15時10分生まれで119.5gでした。生後1か月のころには兄が1000g超、弟が800g超になり、ピンクだった体が白と黒に変わってきていました。

この2頭は、2020年に飼育下で生まれた双子の、世界で第1号です。基地の記録でも、1年のうちでいちばん早い時期に生まれた双子でした。基地の専門家は「冬に発情して春に産むのはとても珍しい」と話しています。福娃にとっては5回目のお産でした。

平平と热干面(ルーガンミエン)、2つの名前

いまの基地の説明では、平平が正式な名前で、热干面は乳名です。乳名とは、赤ちゃんのころの呼び名のこと。2026年に、成都の基地の副主任・李明喜さんがそう説明しています。この記事でも平平と呼びます。

ただ、生まれた年の発表では、热干面が名前で、平平は乳名でした。2020年4月17日、生後1か月の双子の名前が発表されました。名づけたのは、新型コロナのときに武漢(湖北省)へ医療の手助けに行き、成都に戻ってきた四川の医療チーム2つ。基地とビデオでつないでの発表でした。

兄は武漢の名物の麺から热干面、弟は成都の名物のおやつから蛋烘糕(ダンホンガオ)。このとき、弟の乳名は安安とされました。

医療チームの一人で、病院の看護部の副部長・張坤さんはこう話しています。

「热干面は武漢で一番有名な軽食です。武漢の人や、武漢で支援した医療者にとって、もうただの軽食ではなく、思いのこもったものです。」

平平・安安という名前には、一生が順調であるように、そして国が平和で世の中が安らかであるように、という願いがこめられています。アトランタ動物園も、平平の名前を、弟の安安と2頭1組の名前の片方として、順調で健やかな一生への祝福を表すと紹介しています。

生後半年の平平と「太陽産房の三巨頭」

2020年9月29日、生後半年の双子は基地のお披露目に並びました。同じ産室の3月21日生まれの1頭とあわせた3頭は、その年、基地で最初に生まれた子たち。「太陽産房の三巨頭」と呼ばれ、どれも13kg近くありました。会場ではじゃれ合い、元気いっぱいだったそうです。

平平は目のまわりの黒が濃い、木登り上手

李明喜さんによると、平平は目のまわりの黒が濃く、体ががっしりしていて、木登りがとても上手です。目のまわりの黒は大きく、見分けやすいほど。体のわりに動きは身軽で、木の枝の分かれ目でよく休んでいます。

福双(フーシュアン)はどんなパンダ?

「月亮産房」で生まれた福双

福双は2020年10月18日、平平と同じ成都大熊猫繁育研究基地で生まれたメスです。四川の新聞によると、生まれたのは「月亮産房」という産室。平平の「太陽産房」とは別の産室でした。母は福禄(フールー)です。

同じ新聞によると、福双は母の福禄としばらく暮らしたあと、子パンダが暮らす「別荘」へ移りました。その別荘は、いまは6号別荘と呼ばれています。

福が2つ重なる、福双の名前

名前について、李明喜さんはこう説明しています。

「福が2つ重なり、福運がずっと一緒にある、という意味。」

母の福禄と合わせると「福禄双全」。福も禄(豊かさ)もそろう、という言葉になります。アトランタ動物園は、名前の意味を「幸せ」と紹介しています。

2頭の名前は、平平が平安から、福双が福運から取った組み合わせで、よい願いをこめたものだと、中国の新聞は伝えています。

頭のてっぺんの毛がめじるしの福双

李明喜さんによると、福双は頭のてっぺんにふわっとした毛があり、性格はいきいきとしています。毛はひと房で、おでこはふっくらして少し前に出ています。体は丸く、反応がすばやいパンダです。

とくに強いのが、食べ物を探す力。飼育員が工夫して隠したごはんも、すぐに見つけてしまいます。

なぜ平平と福双が選ばれた?成都からアトランタへの旅

2頭を迎えるもとになったのは、中国野生動物保護協会とアトランタ動物園が結んだ、パンダ保護の国際共同研究協定です。協会によると結んだのは2025年で、期間は10年。協会と動物園は、飼育と繁殖、病気の予防と治療、研究、一般への教育、野生のパンダとすみかの保護に一緒に取り組みます。

アトランタ動物園が2頭を迎えると発表したのは、2026年4月23日。2頭はアトランタで10年暮らす予定です。

李明喜さんが挙げた4つの決め手

李明喜さんによると、選ぶときに見たのは4つです。

1つ目は年齢です。若すぎると自分のことが十分にできず、まわりの影響も受けやすい。年を取りすぎていると、10年をずっと過ごすのに向きません。そこで4〜6歳から選びました。

2つ目は遺伝の組み合わせ。向こうで子どもを授かり、できれば家族で帰ってきてほしい、という願いからです。

3つ目は健康です。

4つ目は性格。穏やかで、2頭がお互いに気が合うことです。将来、2頭が自然に繁殖できるようにするためでした。

アメリカへ渡ったとき、平平は6歳、福双は5歳でした。福双は10月18日に6歳になっています。

音に慣れる訓練と、FedExの専用機

出発前の1か月、2頭は外とへだてた場所に移り、決まった飼育員と一緒に過ごしました。外から病気を持ち込まないよう、その飼育員は自分の3度の食事も、専任の人に届けてもらっていたそうです。

パンダは、騒音があまり好きではありません。十数時間の飛行に向けて、音に慣れる訓練をしました。合図で輸送用の箱に入る訓練や、健康診断もしています。中国側は、獣医と飼育員を2回に分けて先にアトランタへ送りました。

9月26日の夜、成都の基地で見送りがありました。2頭は9月27日2時55分(中国時間。アメリカ東部時間では26日の午後)、成都双流空港を出発しました。

乗ったのは、国際宅配便の会社FedEx(フェデックス)の専用機「FedEx Panda Express」(ボーイング777)です。運ぶ費用はFedExが寄付しました。FedExが2000年から運んだパンダは、今回を含めて23頭になります。

機内には、新鮮なタケノコや竹、りんご、緊急用の薬が積まれました。温度と湿度は、パンダが快適な範囲に保たれました。アトランタ動物園の獣医と飼育員も同じ飛行機に乗り、付き添っています。

アメリカ東部時間の9月27日朝、飛行機はアトランタの空港に着き、2頭はそのまま動物園へ向かいました。

平平と福双を迎える新しいパンダの施設

2頭の新しい家は「Arthur M. Blank Panda Grove(アーサー・M・ブランク・パンダ・グローブ)」です。1999年に伦伦(ルンルン)と洋洋(ヤンヤン)が来たころから、アトランタのパンダの取り組みを長く後押ししてきた、アーサー・ブランクさんにちなんだ名前です。

改修には1年をかけ、600万ドルを使いました。費用はロバート・W・ウッドラフ財団の助成です。李明喜さんによると、設計は両国の専門家がビデオ会議を9回、メールのやりとりを60回あまり重ねて話し合いました。

外の運動場は溝を埋め、植物や花を植えました。室内の広さは倍になっています。パンダが日中を過ごす部屋(デイルーム)を広げ、どの部屋にも新しい登る台とプールを置きました。外の運動場にも登る台があり、水草の生える水辺や、野生動物の未来をたたえる彫刻もあります。

アトランタは成都と気候が似ていて、動物園の近くで、パンダが食べる竹が何種類も手に入ります。1年中、新しい竹を収穫できるそうです。

アトランタ動物園の人たちの言葉

アトランタには、2024年10月に伦伦と洋洋たちが中国へ帰ってから、2年近くパンダがいませんでした。新華社のインタビューで、副園長のジーナ・フェリーさんはこう話しています。

「長い2年を経て、中国のパンダがアトランタ動物園に戻ってきてくれることに、とてもわくわくしています。」

新しい部屋についても「新しいデイルームはずっと広くなり、最高の照明や床などをそろえました。」と語りました。

園長のレイモンド・B・キングさんは「アトランタ動物園にとって、とても胸おどる一日です。平平と福双を心から歓迎します。」と話しています。

アトランタとパンダの25年 ファーファーの祖父母・伦伦と洋洋

アトランタ動物園にとって、パンダは初めてではありません。1999年11月5日から25年間、伦伦(ルンルン)と洋洋(ヤンヤン)が暮らしていました。伦伦はメスで1997年8月25日生まれ、洋洋はオスで1997年生まれ。どちらも成都の基地で生まれました。飼育チームが見つけた伦伦の好きな香りは、ミントとシナモンです。

伦伦は5回の出産で、7頭の子を育てました。新華社や中国中央テレビは、中国と欧米のパンダの繁殖の国際協力の中で、最高の成績だと伝えています。アトランタ生まれの子はみな、中国のならわしにならって、生後100日に名前が付けられました。

最初の子・美兰(メイラン)は、ファーファーの父

最初の子は、2006年9月6日生まれのオスの美兰です。お産は36時間かかりました。当時、パンダのお産として知られている中でいちばん長かったと、動物園は紹介しています。名前は「アトランタの美」という意味で、地元の新聞のネット投票で5万7000人あまりが選びました。

2010年2月4日、美兰は中国へ発ちました。専用の塗装の飛行機に乗り、放水のお見送りを受けました。

中国へ移った美兰は、のちに父親になりました。美兰を父に持つ和花(ホーファ)は、日本では愛称の花花からファーファーと呼ばれています。伦伦と洋洋は、ファーファーにとって祖父母にあたります。ファーファーは、平平たちと同じ日に、成都の基地のお披露目に並んだパンダです。

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喜兰(シーラン)・阿宝(アーバオ)と、2組の双子

2008年生まれのオスの喜兰は、お産が9時間。兄の美兰よりずっと短いお産でした。やんちゃな遊び方で人気者になり、名前は「アトランタの喜び」です。

2010年11月3日には、メスの阿宝が生まれました。アトランタでの名前はPo(ポー)。映画「カンフー・パンダ」の主人公にちなんでいます。

2013年7月15日には、双子のメスの美轮(メイルン)と美奂(メイフアン)が生まれました。アメリカで1987年以来の双子で、生きて育った双子はアメリカで初めてです。名前は「言葉にできないほど美しく立派なもの」という意味の中国の成語から取られています。

野生の母パンダは、ふつう1頭しか育てられないそうです。そこで1頭を母のそばに、もう1頭を保育器に置き、ときどき入れ替えて育てました。

2016年9月3日には、2組目の双子のメス、雅伦(ヤールン)と喜伦(シールン)が生まれました。名前は「伦伦の上品で幸せな娘たち」。この2頭も同じように、母のそばと保育器を入れ替えながら育てられました。

喜兰と阿宝は2014年に、美轮・美奂は2016年11月に中国へ渡りました。美轮・美奂が発つときの荷物は、竹約170kgと水約30リットル。サトウキビやパンダ用ビスケット、バナナといった好物も約11kg積みました。美兰・喜兰・阿宝・美轮・美奂の5頭は、中国へ移ったあと、みな親になっています。

25年の協力の終わりと、伦伦・洋洋のいま

25年の協力で、中国とアトランタは研究を30件あまり一緒に行い、論文を50本あまり出しました。繁殖と子育て、行動の研究、病気の予防で成果を上げています。アトランタ動物園は、2016年の時点で、野生のパンダのために合わせて1000万ドル以上を支援していました。

2024年10月12日、伦伦・洋洋と、雅伦・喜伦の4頭がアトランタを出発し、13日に成都に着きました。25年の協力は、ここで終わりました。

いまは伦伦と洋洋、7頭の子どもたちのあわせて9頭が、成都大熊猫繁育研究基地で暮らしています(2026年9月26日 科技日報より)。

中国中央テレビのパンダのサイトによると、伦伦は典型的な「ふわふわの丸顔」。とてもやさしいけれど、四川の女性らしい気の強さものぞくそうです。洋洋は、慣れるまで時間がかかるタイプ。食べるときも上品で、あわてません。鼻の上の黒い点が、はっきりした目印です。2頭ともふるさとの暮らしにすっかり慣れ、健康診断の数値はどれも良好です(2026年1月22日 熊猫頻道より)。

年表で見るアトランタのパンダの歩み

  • 1999年11月5日:伦伦と洋洋がアトランタ動物園で暮らし始める
  • 2006年9月6日:美兰が生まれる
  • 2008年:喜兰が生まれる
  • 2010年2月4日:美兰が中国へ
  • 2010年11月3日:阿宝(Po)が生まれる
  • 2013年7月15日:双子の美轮・美奂が生まれる
  • 2014年5月:喜兰と阿宝が中国へ
  • 2016年9月3日:双子の雅伦・喜伦が生まれる
  • 2016年11月:美轮・美奂が中国へ
  • 2024年10月12日:伦伦・洋洋・雅伦・喜伦がアトランタを出発
  • 2024年10月13日:4頭が成都に着く
  • 2025年:中国野生動物保護協会とアトランタ動物園が10年の協定を結ぶ
  • 2026年4月23日:アトランタ動物園が平平と福双を迎えると発表
  • 2026年9月27日:平平と福双がアトランタ動物園に着く
  • 2026年11月6日:平平と福双の一般公開(予定)

アメリカでパンダがいる動物園はいま3つ

アメリカでパンダがいる動物園は、アトランタ動物園、カリフォルニア州のサンディエゴ動物園、首都ワシントンD.C.のスミソニアン国立動物園の3つです。南東部では、アトランタが唯一です。

サンディエゴ動物園には云川(ユンチュアン)と鑫宝(シンバオ)がいて、2024年8月8日に公開されました。スミソニアン国立動物園には、オスの宝力(バオリー、2021年8月4日生まれ)とメスの青宝(チンバオ、2021年9月12日生まれ)がいます。2頭は2026年に5歳の誕生日を迎えました。

平平と福双、アトランタでの10年が始まる

目のまわりの黒が濃く、木登りが得意な平平。頭のてっぺんの毛がめじるしで、ごはん探しが得意な福双。2020年に成都で生まれた2頭は、2026年9月27日にアトランタ動物園に着きました。

新しくなった施設で、2頭が初めて一般の人の前に出るのは11月6日の予定です。伦伦(ルンルン)と洋洋(ヤンヤン)が25年暮らした場所で、2頭の10年が始まります。

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出典

※本記事は、アトランタ動物園・成都大熊猫繁育研究基地・中国国家林業草原局の発表と、新華社・人民網日本語版・CGTN Japanese・AFPBB Newsなどの報道をもとに、出典を確認のうえ作成しています。

この記事の著者

パンダプラネット編集部

パンダグッズのお店「パンダプラネット」の編集部です。動物園の公式発表や日本・中国の報道を確かめて、パンダの記事をお届けしています。

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