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韓国生まれのフーバオはいま?飼育員との日々と中国での暮らし

2020年7月、韓国のテーマパーク・エバーランドで、1頭のパンダが生まれました。福宝(フーバオ)です。飼育員と過ごす姿が動画で広まり、韓国で大人気になりました。

2024年4月には中国へ移り、いまは四川省の臥龍神樹坪基地で暮らしています。今回は、フーバオのいまの様子と性格、韓国の飼育員たちとの日々、中国での暮らしをまとめてご紹介します。

フーバオはいまどう過ごしている?

7月20日の6歳の誕生日には、朝の開園から人が並びました(2026年7月20日 読者報より)。

10月初めの中国の大型連休(国慶節)の間も、フーバオの展示エリアは特に人気でした。基地の中で、いちばん人が集まる場所になっていたそうです(2026年10月8日 汶川県政府より)。

10月14日に基地を訪ねた取材の記事では、韓国で出ている中国語の新聞の社長が、韓国からはるばるフーバオに会いに来た人が大勢いたと話しています(2026年10月15日 国務院僑務弁公室より)。

中国でフーバオを担当する飼育員は、徐翔(シュー・シアン)さんです。毎朝決まって「早安呀,福宝(おはよう、福宝)」とあいさつするそうです(2025年11月24日 人民日報より)。

フーバオの体と住まいのいま

2026年1月、中国大熊猫保護研究中心(中国のパンダの保護研究の拠点)は、長く寄せられていた飼育や健康についての疑問にまとめて答えました。フーバオについての答えは13項目あります(2026年1月13日 封面新聞より)。

体重は約120kgで、この年齢では正常の範囲とのことです。研究中心は「福宝は2026年の繁殖計画に入っていない」とも答えています。

住まいは、幼儿园2号館という建物の203号の部屋です。広さは約400㎡。屋内の部屋2つ(約100㎡)と、運動場(約300㎡)があります。

毎日の食事は、タケノコ5〜8kg、りんご200〜500g、ウォトウ800〜1,200gなど。ウォトウは、トウモロコシなどの粉で作るパンダ用の蒸しパンです。

研究中心は、歯の心配にも答えています。虫歯はなく、歯が黄色いのは正常だという答えです。

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フーバオのプロフィール

フーバオ

日本での呼び名:フーバオ

中国での名前:福宝(フーバオ)

韓国語の名前:푸바오(プバオ)

愛称:福公主(フー姫)、小福(シャオフー)

性別:雌

生年月日:2020年7月20日

生まれた所:エバーランドのパンダワールド(韓国・京畿道龍仁市)

福宝という名前には「幸せをくれる宝物」という意味があります。名前は、関係機関と相談して決めた4つの候補から、約5万人の投票で選ばれました。発表は2020年11月4日です。

フーバオはどんな性格?好きな食べ物は?

韓国の飼育員から見たフーバオ

韓国でフーバオを育てた飼育員の一人が、カン・チョルウォン(姜哲遠)さんです。「パンダのおじいちゃん(할부지〔ハルブジ〕)」と呼ばれ、ファンの間では「강바오(カンバオ)」の呼び名でも知られています。

カンさんは1988年1月から飼育員をしてきました。チーターやチンパンジー、オランウータンなど、多くの動物を育ててきました。そのカンさんは、こう話しています。「30年あまり、たくさんの動物を見てきたが、パンダは、飼育員として一番達成感をくれた動物だ」(2024年4月2日 中国新聞網より)。

カンさんが2024年4月に話したところでは、フーバオは好き嫌いがなく、菜の花とおもちゃが好き。食べ物の中では、にんじんがいちばん好きだそうです。

もう一人の飼育員が、ファンの間で「송바오(ソンバオ)」と呼ばれるソン・ヨングァン(宋永寛)さんです。ソンさんは、竹のメガネやギターなど、たくさんのおもちゃを手作りしました。フーバオは「おもちゃをいちばんたくさん持っているパンダ」と言われています。

フーバオは、1歳の誕生日に「トルジャビ」をしました。並べた物から1つを選ばせる、韓国の1歳のお祝いです。にんじん(健康)、竹(長生き)、ウォトウ(幸せ)、りんご(人気)が並びました。フーバオがつかんだのは、名前の「幸せ」にちなむウォトウ。みんなを笑わせました。

韓国と中国で付いたフーバオの愛称

韓国のファンは、フーバオにいろいろな愛称を付けました。「푸공주(フー姫)」や「푸린세스(フーリンセス)」は、たっぷり愛され、お姫さまのように大事にされたから。「푸룽지(フルンジ)」は、どこでも転がるのが好きで、白い毛が黄ばんで見えたからです。

角のない丸い体からは「푸뚠뚠(フトゥントゥン)」「뚠빵이(トゥンパンイ)」。龍仁で生まれた初めてのパンダなので「용인 푸씨(龍仁のフーさん)」とも呼ばれました。

「푸질머리(フジルモリ)」という愛称もあります。気に入らないことがあると、竹をかき回したり、飼育員の植えた花や木を全部抜いたりして、かんしゃくを起こしたことから付きました。

中国でも、韓国の人たちが付けた「福公主(フー姫)」の呼び名が使われています。徐翔さんは「小福(シャオフー)」と呼びます。中国に来て2か月ほどのころ、徐翔さんはその理由をこう話しています。「福宝は3歳あまり、私は30代後半。だから小福と呼ぶ」。

中国でのフーバオの好物

中国に着いて最初の食事で出た苦笋(にがタケノコ)は、大好物になりました。糖心りんご(蜜入りりんご)も好きです。

2024年6月、徐翔さんはこう話しています。「いちばん好きなのは苦竹の幹と葉、白夹竹の幹。毎日2〜3種類の竹を出して選ばせ、タケノコも出す」。苦竹と白夹竹は、どちらも竹の種類です。

韓国とは竹の種類も違います。徐翔さんは「四川と韓国の竹は違う。一年の四季の竹を全部食べてみて、やっと好みが選べる」と言います。

2025年7月には、飼育員がこう紹介しました。「庭を見回ってタケノコを探すのが好きで、タケノコの先、りんご、ウォトウが大好き。声で隣のパンダとやりとりもする」。

中国でのフーバオの一日

2024年6月と7月の徐翔さんの話をまとめると、フーバオの朝は、竹を足してもらって食べ、運動場を散歩したり、水池のそばで遊んだりして過ごします。午後は、眠ければ寝て、眠くなければぶらぶら。のぼって遊ぶ木の台に、頭を内側、おしりを外側にして寝そべって眠ります。築山に登ったり、つるした竹かごの中のウォトウを探したりもします。

徐翔さんは、そんな毎日を「のんびり、自由な感じ」と言い、フーバオを「適応力がとても強い」と話しています。

社交的な一面もあります。研究中心の副主任によると、隣どうしの部屋には「交流の窓」があり、においや声でやりとりできるそうです。2024年夏の取材のころ、神樹坪の部屋の両隣は、6歳の和和(ホーホー)と18歳の依宝(イーバオ)でした。フーバオはその窓ごしに、声やにおいで両隣とやりとりしていました。依宝はあまり相手をしなかったものの、フーバオと和和をやさしく見守っていたそうです(2024年8月1日 封面新聞より)。

運動場では仲間を探します。「お隣さん」が留守だと分かると、その部屋を一回りすることもあるそうです。自分の部屋と大きさも間取りもだいたい同じで、食べ物もやっぱり竹。それで安心して、自分の部屋に戻ってもりもり食べるそうです。

徐翔さんとフーバオのやりとり

徐翔さんは、フーバオ専用のノートを持っています。毎日の成長の記録を、そこにつけているそうです(2024年6月12日 央視網より)。

えさをあげる時、徐翔さんはフーバオに「あまり転がらないで」と声をかけます。パンダは続けて転がると、腸がねじれて病気になりやすいからです。徐翔さんは、こうも話しています。「人が驚く声を聞くと転がるのが、くせになりかけている。それもよくない。本当にパンダが好きな人は、自然な姿を見たいはず」(2024年8月1日 封面新聞より)。

同じ記事は、動画に映ったフーバオの様子も紹介しています。竹を食べている時に、人から「好看(きれい)」とほめられると、フーバオは手を止めて「うん」と返事をします。徐翔さんが部屋に戻るよう呼んでも、聞こえないふりをすることがあるそうです。

飼育員たちが部屋のそばで献立の話をしていると、フーバオは扉の穴から頭を出し、目を丸くして聞いています。徐翔さんは「分かるのかい?分からないなら、なんで見てるの」と言います。小言が続くと、フーバオは目つき一つで「もう言わないで」と伝えるように、くるりと背を向けて行ってしまうそうです。

中国の飼育員は、フーバオについて、これまで育てたパンダと大きな違いはなく、もしかすると少し賢いかもしれない、と見ています。「どのパンダにも特徴がある。全体で見れば福宝は“ふつうのパンダ”」とのことです(2026年8月26日 京報網より)。

フーバオの見た目と「美人ぼくろ」

中国の新聞は、フーバオの見た目を「五角形の丸い顔に、黒い小鳥のような目のまわり」と紹介しています。ちょこんと立った頭の毛と「美人ぼくろ」も、フーバオの見た目の特徴です。

研究中心の説明では、この「美人ぼくろ」は、ケージに入る練習をしていたときにできたものです。座ったまま、頭のてっぺんをケージの取っ手の角に当てて眠り、そこの毛が切れた跡でした。毛は、もう生えてきています。

転がったり遊んだりが好きで、首やおしりを壁や柵にこすりつけます。そのため、その部分の毛の色が少し違って見えるそうです。徐翔さんによると、毛には自然の油があり、洗いすぎると病気のもとになります。だから、あまり洗わないとのことです。

フーバオのこれまでの歩み

韓国で初めて自然繁殖で生まれたフーバオ

フーバオの両親、爱宝(アイバオ)と乐宝(ローバオ)は、2016年3月3日に中国から韓国へ来ました。15年間の共同研究のためです。

エバーランドは2018年から繁殖の担当チームを作り、2頭がお互いのにおいに慣れるよう、部屋を定期的に入れ替えました。血液や尿の検査で、ホルモンのデータも分析しています。

2019年は、それまで毎年あった母のアイバオの発情がありませんでした。2020年は新型コロナの影響で、交配までの間、中国の専門家が韓国に来られませんでした。カンさんたち飼育員は、中国の基地で研修を受けていました。交配が成功したあとには、中国から専門家が1人来て、アイバオの様子を見守りました。

フーバオが生まれたのは、2020年7月20日の夜9時49分。母のアイバオの陣痛が始まって1時間30分後でした。体長16.5cm、体重197g。人の手を借りた人工授精ではなく、親どうしの交配による「自然繁殖」で生まれた、韓国で初めてのパンダです。

生まれたばかりのフーバオと飼育員の苦労

アイバオにとっては初めての出産でした。それでも、生まれたばかりのフーバオの体温が下がらないよう、一日中抱いていたそうです。

飼育員は、アイバオを休ませ、赤ちゃんに栄養をとらせるため、1日3時間ずつフーバオを代わりに世話しました。

苦労もありました。フーバオは、ふつうの赤ちゃんパンダより20日以上早く目を開けました。思わぬ事故を防ぐため、部屋の明かりを全部消しました。生まれて5日で体重が20g減り、毎日人工の授乳もしました。

カンさんは、保育器2台やおくるみを用意しました。薬局を回って「生のそば殻」を探し、それで授乳のときにうつ伏せになれる小さなまくらを作りました。生まれて3か月は、カンさんが24時間そばにいたそうです。

動画で人気者になったフーバオ

コロナで人と会いにくかったころ、フーバオの成長をSNSで紹介しようと社内で提案したのは、カンさんでした。

2020年12月、カンさんがフーバオの体重を量り、床に下ろしたときのことです。フーバオはカンさんの脚にしがみつき、せがむような姿を見せました。携帯電話で撮ったこの動画は、エバーランドのYouTubeで1,600万回見られ、フーバオが世界に知られるきっかけになりました。

そのあとも、カンさんと腕を組んで携帯電話を見る「デート」や、ソンさんに背負われて「退勤」する姿が話題になりました。

日本の新聞社のウェブ版のインタビューで、カンさんはこう振り返っています(記事の中の表記はフーパオ)。「パンダの動画は気軽に楽しめて、なごめる」「我々飼育員とフーパオとの関係が本物の家族として支え合っているように見えたからこそ、人気が出たのだと思います」。

一般公開は、生後約6か月の2021年1月4日に始まりました。一般公開されていた1,155日の間に、エバーランドのパンダ施設・パンダワールドの来園者は550万人。2023年のパンダワールドの入場者は215万人で、フーバオが一般公開される前の2020年(107万人)の2倍になりました。

母から離れ、お姉さんになったフーバオ

アイバオは、フーバオが大きくなるにつれて、竹の食べ方、木の登り方、けんかの仕方も教えました。フーバオは、よちよち歩きの赤ちゃんから、木登りの名人に育ちました。

パンダは、1年半から2年で母から離れて暮らすようになります。フーバオも2022年9月、母のアイバオから離れて暮らし始めました。

そのころのことを、カンさんは同じインタビューでこう話しています。「母パンダから独立しなければならないときを迎え、体も大きくなると飼育員との距離も変わってくる。いろんな思いを抱えて並んで座っていたとき、フーパオが私の肩にぽんと手を置いた。驚いて目を見ると、『自分はうまくやれるから、おじいちゃん、心配しなくていいよ』と言っているような気持ちになった瞬間がありました」。「私はフーパオに話しかけるのが好きでした」とも語っています。

2023年には、双子の妹、睿宝(ルイバオ)と辉宝(フイバオ)が生まれ、フーバオはお姉さんになりました。

菜の花の花束とフーバオの旅立ち

エバーランドの説明では、海外で生まれたパンダはみな、国際的な取り決めで、繁殖できる年ごろの満4歳(生後48か月)になる前に、相手を探すため中国へ移るそうです。

2016年、カンさんはアイバオとローバオを選びに四川へ行ったとき、咲きみだれる菜の花を見ました。それから、韓国にいるパンダたちのふるさと恋しさを和らげようと、毎年春、運動場の一角に菜の花を植えてきました。フーバオが中国へ行く前に見られるよう、例年より1か月早く植えました。暖房の温度と照明を調整して、花を咲かせました。

韓国での最後の公開日は、2024年3月3日。カンさんは、にんじんを添えた菜の花の花束を贈りました。飼育員たちからは、ハート形のウォトウのケーキと、フーバオの大好きな竹とにんじんも贈られました。3月3日まで公開すると伝えられた2月19日からの約2週間で、12万人ほどのファンが訪れました。

3月4日からの1か月は、パンダワールドの室内で過ごしました。公開はせず、検疫と健康管理、移動用のケージに慣れる練習をしました。

出発は2024年4月3日です。午前10時40分、半導体を運ぶのに使う揺れない特別な車で、パンダワールドを出ました。平日の午前で雨でしたが、6千人あまりのファンが見送りました。生まれてから中国へ発つまで、韓国で過ごしたのは1,354日です。

飛行機の中は、パンダの好きな18℃に保ちました。カンさんと中国の獣医が同じ飛行機に乗り、20〜30分ごとに様子を見ています。竹、ウォトウ、にんじん、水、りんごも積みました。カンさんは、出発から神樹坪基地に着くまで付き添いました。

中国へ向かう輸送箱は、母のアイバオが韓国へ来たときに使ったものです。大きさは横190cm・縦130cm・高さ135cmで、重さは270kg。揺れや外からの接触を防ぐための箱です。

カンさんは、見送りでこう話しました。「新しいパンダ生を探して旅立つフーバオを、これまで愛してくださってありがとうございます。フーバオをずっと覚えていてください」。

ソンさんの言葉です。「ファンの皆さんの愛のおかげでフーバオはよく育ちました。フーバオとの幸せで美しい物語に1,354日間、一緒にいてくださってありがとうございます」。

カンさんはフーバオに手紙も書いています。「フーバオのおじいちゃんは、あなたが行っても、ルイバオ、フイバオと楽しく明るく遊んであげるよ。妹たちの姿に、いつもあなたを探して思い出せるから」。

中国でのフーバオの新しい暮らし

4月3日の夜、成都の空港に着いたあと、雨の中を車で走り、23時47分に臥龍神樹坪基地に着きました。職員が並んで「欢迎福宝回家(福宝、おかえり)」と迎えました。

1か月の隔離検疫が始まりました。基地の飼育員は「いまは雨で少し寒いけれど、これはパンダがいちばん好きな天気。パンダは涼しいのが好きで、暑いのは苦手」と話しています。隔離の間は、食事の配分や生活のリズムを韓国での飼い方に合わせました。慣れ具合を見ながら、少しずつ基地の飼い方へ移しています。

4月4日の朝、カンさんは監視カメラの画面で、楽しそうに転げ回るフーバオを見ました。「楽しそうな様子を見て安心した」と話しています。

検疫の間には、輸送用のケージに入る練習もしました。徐翔さんの話では、2日・2回で入れるようになったそうです。

5月4日に検疫を終え、繁育園へ移りました。

中国での一般公開は、2024年6月12日。午前9時35分、外の運動場への小さな扉が開くと、フーバオは内舎からゆっくり出てきました。新しい庭を見回してにおいをかぎ、一回り探検します。そのあと、置いてあったタケノコを見つけて、のんびり食べ始めました。観覧は、1回5分の入れ替えでした。

7月20日には4歳になり、中国で初めての誕生日を迎えました。8月中下旬からは、食欲が落ち、水遊びが増えるなど、偽妊娠の様子が見られました。偽妊娠は、妊娠していないのに、妊娠したような様子になることです。ホルモンの変化による、正常な体の反応です。

体の震えとフーバオの静養

2024年12月3日、外の運動場で食べているときに、フーバオの体が震えました。すぐに屋内へ戻して検査し、飼育員と獣医が24時間交代で見守りました。12月上旬の血液・寄生虫・感染症の検査は、すべて異常なしでした。

12月下旬からは、公開しない区域で静養しました。2025年1月から2月にはふつうの発情があり、3月上旬に終わっています。北京から専門家を招いて一緒に診察し、最新の検査でも異常は見つかりませんでした。震えについては、研究中心がほかの機関と、遺伝子の検査と病理の研究を進めています。

研究中心の専門家の説明では、体の一部の筋肉が軽くぴくっと動くのは珍しくありません。痛みや不快はなく、多くは正常な体の反応だそうです。

2025年3月25日、100日あまりの世話を経て、公開が再開されました。元気・食欲・動きとも正常です。運動場には、新しく登る木や倒した木などが足されました。

4月20日からは、再び偽妊娠の様子が見られました。7月17日には、研究中心が神樹坪基地で開く、パンダの「誕生日シーズン」の行事が始まりました。フーバオは部屋で「誕生日のプレゼント」をじっくり選び、タケノコと果物で作った「コーン(甜筒)」を最初に食べました。飼育員は、2025年も繁殖には参加していないと説明しました。

書き出しで紹介した2026年1月の答えの中で、研究中心は、体の震えについての疑問にも答えています。震えを調べるCTやMRIの検査には、全身麻酔が要ります。麻酔には危険もあるため、獣医の専門家のチームが、いまの様子と検査のデータから、当面は必要ないと判断しました。いまは主に、保守的な治療とケアを続けているとのことです。

夜、フーバオが来園者と近くで接するよう手配されているのでは、という疑問もありました。研究中心は、中国に戻ってから関係のない人と近くで接するよう手配したことは一度もなく、内舎で来園者と近くで接したという話はうわさだと答えています。

研究中心の数えでは、2024年だけで、フーバオについてのうわさが300件近くあったそうです。研究中心は、パンダの自然な性質を大事にし、「必要がなければ手を出さない」考え方をとっています(2026年8月26日 京報網より)。徐翔さんは「パンダは野生動物。その性質を尊重しなければ」と話しています。

年表で見るフーバオの歩み

  • 2016年3月3日:両親のアイバオとローバオが、中国から韓国へ
  • 2020年7月20日:エバーランドのパンダワールドで誕生。韓国で初めて自然繁殖で生まれたパンダに
  • 2020年11月4日:名前「福宝」が発表される
  • 2020年12月:カンさんの脚にしがみつく動画が話題に
  • 2021年1月4日:一般公開が始まる
  • 2022年9月:母のアイバオから離れて暮らし始める
  • 2023年7月7日:双子の妹、ルイバオとフイバオが誕生
  • 2024年3月3日:韓国での最後の公開日
  • 2024年4月3日:中国へ出発。夜、臥龍神樹坪基地に着く
  • 2024年5月4日:検疫を終え、繁育園へ
  • 2024年6月12日:中国で一般公開
  • 2024年7月20日:4歳。中国で初めての誕生日
  • 2024年12月3日:運動場で体が震え、検査と見守りが始まる
  • 2025年3月25日:100日あまりの世話を経て、公開を再開
  • 2025年7月17日:神樹坪基地のパンダの誕生日シーズンの行事で、タケノコと果物のコーンを選ぶ
  • 2026年1月:研究中心が、フーバオについての質問にまとめて答える
  • 2026年6月3日:いちばん下の妹、曙宝(シューバオ)が誕生
  • 2026年7月20日:6歳の誕生日

フーバオの家族

母のアイバオは、中国名を华妮といいます。中国・雅安碧峰峡基地生まれで、内気でやさしい「乖乖女(いい子)」と紹介されています。フーバオ、双子、シューバオの4頭を産み、エバーランドは「ベテランの母」と書いています。2026年6月からは、シューバオを育てています。

父のローバオは、中国名を园欣といいます。同じ雅安碧峰峡基地の生まれです。外向的で活発、人とのふれあいが好きなパンダです。両親は2031年に中国へ帰る予定です。

双子の妹のルイバオとフイバオは、韓国で初めての双子です。生まれたときは180gと140gでした。2026年12月の第3週に、中国へ移る予定です。日と行き先はまだ決まっていません。移る前に、約1か月の検疫があります(2026年9月30日 エバーランドより)。

飼育員のソンさんによると、フイバオはおてんばで、とても活発です。寝るより遊ぶのが好き。ルイバオは「森のお姫さま」で、遊ぶより寝るのが好きだそうです(2024年3月24日 OSENより)。

2024年7月7日の1歳のお祝いでは、2頭もトルジャビをしました。竹で作った5つの品物が並び、ルイバオは竹のダンベル(健康)、フイバオは竹のマイク(人気)を選んでいます(2024年7月8日 エバーランドより)。

いちばん下の妹のシューバオは、生まれたとき171gでした。生後100日を迎え、9月11日に名前が発表されました。候補は5つ。投票は2回行われ、2回目は合わせて22万票で、シューバオが42%を集めて決まりました。体重は5.5kgを超え、年内の一般公開が検討されています(2026年9月11日 エバーランドより)。

フーバオに、パートナーや子どもはいません。

両親

アイバオ(母)

中国での名前:爱宝(アイバオ)

性別:雌

生年月日:2013年7月13日

現在の状況:韓国・エバーランド(公開されているかは分かっていません)

ローバオ(父)

中国での名前:乐宝(ローバオ)

性別:雄

生年月日:2012年7月28日

現在の状況:韓国・エバーランド(公開されているかは分かっていません)

(2026年9月30日 川観新聞より)

フーバオときょうだい

フーバオ(本人)

中国での名前:福宝(フーバオ)

性別:雌

生年月日:2020年7月20日

現在の状況:臥龍神樹坪基地(公開)

(2026年10月15日 国務院僑務弁公室(中国新聞社)より)

ルイバオ(双子の妹)

中国での名前:睿宝(ルイバオ)

性別:雌

生年月日:2023年7月7日

現在の状況:韓国・エバーランドのパンダ・セカンドハウス(公開)

(2026年9月21日 エバーランドより)

フイバオ(双子の妹)

中国での名前:辉宝(フイバオ)

性別:雌

生年月日:2023年7月7日

現在の状況:韓国・エバーランドのパンダ・セカンドハウス(公開)

(2026年9月21日 エバーランドより)

シューバオ(妹)

中国での名前:曙宝(シューバオ)

性別:雌

生年月日:2026年6月3日

現在の状況:韓国・エバーランドのパンダワールド(非公開)

※現在の状況の出どころ:とくに書いていないカードは、2026年9月11日 エバーランドより

※パンダの飼育場所や公開方針は今後変更される可能性があります。最新情報は飼育施設の公式発表をご確認ください。

フーバオに会える場所

フーバオがいるのは、中国大熊猫保護研究中心の臥龍神樹坪基地です。場所は、中国・四川省阿壩チベット族チャン族自治州汶川県臥龍。いまも公開されています(2026年10月8日 汶川県政府より)。

基地には80頭あまりのパンダがいて、ふだんは47頭を展示しています。パンダがよく動くのは、午前9時から11時と、午後2時30分から5時だそうです(2026年10月8日 汶川県政府より)。

研究中心は、来園者の人数や時間を制限することがあります。体調や悪天候で、展示の時間を変えたり、展示をやめたりすることもあるそうです。来園者には、食べ物をあげないなどのマナーを守るよう呼びかけています(2025年3月25日 研究中心より)。

公開の様子は、急に変わることがあります。お出かけの前に、研究中心の公式の案内を確かめてください。研究中心のページは、中国の国家林業和草原局のサイトの中にあります(https://www.forestry.gov.cn/dxm.html)。

韓国から中国へ、フーバオの6年

韓国で初めて自然繁殖で生まれたフーバオは、母のアイバオと、カンさん、ソンさんたち飼育員に見守られて育ちました。ウォトウをつかんだ1歳の誕生日や、カンさんの脚にしがみつく動画。韓国での1,354日には、たくさんの場面が残っています。

中国に移ってからは、苦笋やりんごを好み、木の台でのんびり眠る毎日です。体の震えで静養した時期もありましたが、いまは公開され、2026年7月に6歳になりました。韓国からはるばる会いに来る人も、大勢います。

パンダプラネットには、生後5か月ごろのフーバオの座り姿を本物そっくりに再現したぬいぐるみをはじめ、アクリルキーホルダーや缶バッジ、トートバッグがあります。ぬいぐるみは「SeeU PANDA(西柚熊猫)」の商品で、パンダプラネットが日本正規代理店としてお届けしています。興味がありましたら、下のグッズもご覧ください。

パンダプラネットのフーバオグッズ

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出典

※本記事は、エバーランド・中国大熊猫保護研究中心の発表と、新華網・人民網・中国新聞網・央視網・人民日報などの報道をもとに、出典を確認のうえ作成しています。

この記事の著者

パンダプラネット編集部

パンダグッズのお店「パンダプラネット」の編集部です。動物園の公式発表や日本・中国の報道を確かめて、パンダの記事をお届けしています。

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